こいのぼり
屋根より
たかい
こいのぼり
おおきい まごいは
おとうさん
ちいさい ひごいは
子どもたち
おもしろそうに
およいでる
男の子の節句を祝う童謡で、作曲者は不詳とありますが、作詞者は近藤宮子さんという人で、昭和6年の幼稚園向きの唱歌集「エホンショウカ」に掲載されました。
この歌の最初の一節から、高い青空がひろがり、緑の風が香り、こいのぼりの泳ぐ姿が見えてきます。この季節にぴったりのメロディです。
そして、家族の平和が歌われます。水中の鯉はともかく、空に泳ぐ鯉とは、大きなこころの飛躍です。実際に、庭園の池や、飼われた鯉を見ている子どもたちには、おおきな鯉が空を泳ぐという発想に、既成の概念を外してしまう、大きなイメージの力を与えます。こいのぼりは、日本の風景と日本人のこころを、高らかに歌い上げたロマンがあります。
こいのぼりは、初めは男児にひとつだったらしいのですが、お母さんも、女の子も、家族で色とりどりになって鮮やかになりました。
大きなこいのぼりは、布に染められて、清流で洗われ、川を挟んでいっぱいに泳がせて、つくられる風情も壮観で、四万十川などで見られます。
私は、好きで、飛騨地方によく出かけますが、緑の山々に映えて、こいのぼりはよく合います。また、高い山地から、川を見下ろすと、こいのぼりが谷間を泳いでいる風景にも出会います。初夏の薫風と、朗々たるメロディが、よく響き合っていますね。ほんとうに男の子を元気に育ててくれる歌です。
